第10章 奇想天外の訓練 -3

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写真〜細いスキーで挑む 赤岩海岸です。ヘルメットも装着せずに滑る? 今思うと、危険行為です。 BCスキーヤーは、ヘルメットは、必ず装着して下さいね! 私も今は、必ず着用しています。


私と冒険サポートをこれまでもお願いして来たKさんと二人で、3泊4日で合宿するつもりで近くにあるホテルに泊まることにしました。 朝から晩まで訓練が出来るのですから、疲れも取れるしベストな宿だと思いました。

2月中旬はまだ天気も荒れていて、行った時は吹雪状態でした。

それでも私達は、過酷な訓練に挑みました。初めての場所で異常な高まりがあり新鮮な感覚でした。

ホテルから山道へ繋がる途中にある奥横からスキーを履いて、急な斜面を降りて海辺まで行きます。

スタート直後は、まだそこには木々などが沢山有り、まともに滑られない状況でした。 ゆっくりと木々を掻き分けて下へと進むと、だんだん広くなって行きますが岩に囲まれた狭い急な斜面なので、ターンは小さなターンで切り返しをしなければなりませんでした。

難しスキー操作が要求されます。ほとんどがジャンプターンで切り抜けるしか有りませんでした。狭いエリアを抜けると横に広がった斜面に出ました。そこからは一気に海岸の海近くまで中回転で滑り降りて行きました。

ここで見る景色は、恐怖を感じるぐらい厳しい自然に触れていました。

海のすぐ近くには砂浜が見えるのですが、その幅は約1mぐらいです。 そこの狭いスペースに、白波が上がって来ます。

私はスキーを担ぎ、スキーブーツで波打ちを避けながら砂浜を歩いて、訓練をする斜面がある方向へ歩き出しました。

吹雪で前方があまり見えない状況でした。この厳しい天候に、心が折れそうでした。でもやらなければと、静かに気合を入れて立ち向かいました。

マイナス20度ぐらいは、感じていました。厳しい大自然の洗礼が私を試しているようだった。

10分ほどで、目的地のポイントに着いて斜面を見上げると目を疑った。最初の斜面は50度以上で上が見えないほどでした。短いが、今までに体験したことがない斜度でした。

私はスキーブーツ底に、アイゼンを取り付けた。そしてピックルを取り出して雪面にザクッと刺して、スキーブーツを蹴り上げて突き刺しながら一歩一歩登りました。

ピッケルは、ガッチリ雪の中へ刺しながら登った。まるで高所登山みたいだが、ここは標高0メートルの海から迫り上がった急斜面だけなのです。 この海の波が、私の精神に強力な圧力を掛けていた。

滝の中でも水の流れがゴッーと言う音が、かなりのプレッシャーでした。ここも波打ちなので、同じぐらいのプレッシャーを感じていました。

超急斜面を登り切ると、斜度は幾分緩くなり38度ぐらいからグーンとせり上がって行くように見えた。ピッケルを刺し、確実に登ることだけを考えて上へ上へと行きました。途中で後ろを振り返ると、断崖絶壁でした。

間近に迫る白波の日本海は、もう自殺場の雰囲気でした。しかし、この恐怖感と斜度に慣れるには、最高の場所で見つかったと喜びました。

海は、大荒れで嵐のような吹雪が続く中で登っていました。

スタートポイントに近づいたところで、斜度計で計測したところ47度の斜面を記録していた。凄い斜度が続いていた。前方は、吹雪であまり見えない状況でした。

スタートポイントで少し晴れるまで待機です。冷たい風は、容赦無く顔に突き刺さる。20分ぐらいすると、吹雪は止み、視界は少し見えるようになって来た。その時、見えない方が良かったかもと思った。なぜならば、あまりにも絶景であまりにも絶壁のような斜面が丸見えになって来たから恐怖感が倍増して来るからでした。

真正面には、濃い色をした青い日本海が広がっていて、ここから滑落したら、海に落ちて行きそうな斜面です。左に目をやると、尖った岩が二つ突き出ていてより迫力を感じさせるのです。

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写真〜日本とは?思われない景色です。サロモンブーツは、懐かしいですねー。


アイゼンを外し、ピッケルをザックに取り付けて滑る準備を始めた。

全ての準備が終わって、いよいよスタートの瞬間を迎えた。

気を落ち着ける為に、景色をしっかりと見た。実は登っている時は、目の前の斜面だけを見て黙々と登っていたので、景色などゆっくり見る余裕はなかった。おまけに吹雪で視界は、15mぐらいだったのでほとんどの景色は見えなかった。今は雪も止み視界良好だった。

その視界良好の上から見た景色は、あまりの迫力で喉が渇いてしまった。

スポーツドリンク一口を飲み干し、スタート瞬間を待った。

Kさんに、行くぞ!と伝えて、10秒前、5秒前、4、3、2、1、いざスタート!

スタート直後の壁は、50度を超えていた。

眼下に見える海は、大迫力で私に迫って来る。

ジャンプターンで、一つ一つの着地を確実にすることに集中した。それにしても50度越えの急斜面は、初めて経験する斜度だった。恐怖を感じながら滑るスリルは、なんとも言えなかった。斜度は中間地点では少し緩くなり最後のゴール前の壁は、再度約50度の斜面が待ち受けていた。

結構なスピードで、その斜面へ突入して行った。

斜面の前には、その下が見えなかったが急斜面に出て一瞬見えた。 あっ!ヤバイと思った。その下は、海の波が来ていた。かなり満ちていたのです。ブレーキをかけたが、もう間に合わなかった。

スキーの勢いは止まらずに雪から砂場を取越して海へドボンと、突入してしまった。お尻のところまで、入ったようだ。

マイナス15度前後の気温で海の中とは、厳しい洗礼でした。

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真〜最後の壁を滑る降りるとゴールだが、海が満ちている時は海へ突入する場合があった。


その後は、濡れたところは直ぐに凍って来るのでトレーニングは、中止しました。山を登り「ホテル」のお風呂に直ぐに入り、身体を温めました。

想像を、絶する訓練でした。

その夜の夕食にはホテルからの差し入れの刺身の舟盛りが大盛りで出されました。小樽近海で捕れた新鮮な魚介類ばかりだった。 スタッフのKさんと、酒を飲みながら刺身を腹一杯食べました。

そして次の日(2日目)も繰り返し、この究極の斜度を滑る訓練を続けました。今度は、斜度の前にスピードをコントロールをしてゴール地点に正確に降りるように心がけました。

もうー度、海に落ちるようなことは無かった。同じ失敗は、繰り返さないことに集中した。

今度海に突っ込んだら、命まで拐われてしまう危険性もあったからです。

3日目の最終日も、予定通り滑りました。3日目になると訓練の成果が出て来て、ジャンプターンにスムーズさが出て来ました。慣れもありましたが、50度の急斜面に挑む時は、緊張感は最高潮に達します。なかなか、慣れません。

このような合宿を、5回ぐらい行いました。

私の中では奇想天外の訓練の一つで、他人から見ると変態訓練だと思うに違いありません。


次回の奇想天外のトレーニングは、目隠し訓練へと続く〜。 ついに仙人修行


つづく〜




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